LTE-M と NB-IoT の違い
同じ 3GPP の LPWA で、LTE-M は高速
- LTE-M(LTE Cat.M1)と NB-IoT は、どちらも 3GPP が規格化した LPWA です。
- 試験では、ハンドオーバに対応し、LPWA の中では高速で、無線によるファームウェア更新も使えるのが LTE-M、と覚えます。
- Sigfox や LoRaWAN などの非セルラー系 LPWA(アンライセンスバンドを使う方式)とは、規格を決めた団体と周波数の扱いで区別します。
LTE-M とは
LTE-M は、LTE Cat.M1 とも呼ばれる、3GPP が規格化した IoT 向けの方式です。LPWA の一つで、ハンドオーバ(移動しながら基地局を切り替えること)に対応します。LPWA の中では高速なので、無線によるファームウェアの更新にも使えます。
NB-IoT とは
NB-IoT(Narrow Band IoT)も、LTE-M と同じく 3GPP が規格化した LPWA です。LPWA は、通信頻度もデータ量も少ない用途向けに、コストと消費電力を抑え、広いエリアで使えることを狙った無線方式です。
NB-IoT は、名前のとおり LTE-M より狭い帯域を使います。その分、速度は LTE-M より低くなりますが、少ないデータをときどき送る用途に向き、消費電力をさらに抑えられます。動き回らない機器(検針用のメーターなど)での利用が向いています。
違いを表で比べる
| 比べること | LTE-M(LTE Cat.M1) | NB-IoT |
|---|---|---|
| 規格化した団体 | 3GPP | 3GPP |
| 分類 | LPWA | LPWA |
| 使う帯域 | NB-IoT より広い | 狭い(Narrow Band) |
| 速度 | LPWA の中では高速 | LTE-M より低い |
| 移動しながらの通信 | ハンドオーバに対応する | 動き回らない機器に向く |
| 向いている用途 | 移動する機器、ファームウェアの無線更新 | 少ないデータをときどき送る、据え置きの機器 |
試験での問われ方
IoTシステム技術検定 中級では、第4章「IoT通信方式」で出ます。もちこ道場の第4章の問題では、次のような問われ方をしています。
- 穴埋め: 「3GPP が規格化し、ハンドオーバに対応し、LPWA の中では高速で、無線によるファームウェア更新も使える」方式を選ぶ。選択肢には NB-IoT・Sigfox・LoRaWAN が並びます。
- LPWA の整理: 非セルラー系 LPWA がアンライセンスバンドを使い、国内では主に920MHz帯であること、Sigfox のペイロードの上限といった細かい点も出ます。
覚え方
- NB は Narrow Band(狭い帯域)。帯域が狭い NB-IoT は低速・省電力で据え置き向き、LTE-M はハンドオーバ対応で LPWA の中では高速、と対にして覚えます。
- 3GPP の LPWA は LTE-M と NB-IoT の2つ、Sigfox・LoRaWAN などは別の団体の非セルラー系、と大きく二分します。
第4章のほかの用語は「第4章 IoT通信方式の要点」にまとめています。
第4章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第4章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
3GPPのリリース13で規格化されたセルラー系のLPWAのうち、ハンドオーバに対応し、LPWAの中では高速な通信ができるため、IoTデバイスのFOTAも利用できるものを1という。
答えと解説を見る
正解は 1(LTE Cat.M1(LTE-M))です。
【概要】
LTE Cat.M1は、LTE-Mとも呼ばれ、リリース13の時点で3GPPが規格化したIoT向けの方式である。ハンドオーバに対応し、LPWAの中では高速なため、無線によるファームウェアの更新も使える。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. LTE Cat.M1(LTE-M)正解あなたの解答 問題文の、ハンドオーバへの対応、LPWAの中での高速性、FOTAの利用という特徴に合う。
- 2. NB-IoTあなたの解答 NB-IoTは、同じリリース13で規格化されたが、Half duplexのみに対応し、帯域幅も狭い。低価格化と低消費電力化に特化した通信方式である。
- 3. Sigfoxあなたの解答 Sigfoxは、アンライセンスバンドを使う非セルラー系のLPWAであり、IoTデバイスとIoTサーバが直接IP通信を行えない。
- 4. LoRaWANあなたの解答 LoRaWANは、非営利団体のLoRa Allianceが仕様を策定した非セルラー系LPWAのオープンな規格であり、3GPPで規格化されたものではない。
問2
月に数回しか通信を行わず、1回あたりの送信データ量もごくわずかといった用途において、従来の3GやLTEがオーバースペックであり、高い消費電力を必要とする課題に対応するために登場したのが1である。
答えと解説を見る
正解は 4(LPWA)です。
【概要】
LPWAは、通信頻度もデータ量もごく少ない用途向けに、製造・通信コストと消費電力を抑え、より広いエリアで使えることを狙って登場した無線方式である。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. WiMAXあなたの解答 WiMAXは無線MAN用のIEEE802.16シリーズに基づく高速な方式であり、低消費電力を狙った本問の方式ではない。
- 2. 5Gあなたの解答 5Gは超高速大容量などを特徴とする第5世代の移動通信システムであり、3GやLTEの過剰性能を解消する方式ではない。
- 3. FTTHあなたの解答 FTTHは光ファイバで設置場所まで結ぶ固定回線で、高速大容量の通信向けであり、本問の用途に応える方式ではない。
- 4. LPWA正解あなたの解答 LPWAは低消費電力でWAN並みの広いエリアをカバーし、限られた電池で長く動くIoTデバイスに適する。
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よくある質問
LTE-M と NB-IoT は、どちらが優れていますか?
優劣ではなく、向き不向きです。移動する機器や、ファームウェアの更新のように少し多めのデータを送るなら LTE-M、据え置きの機器で少ないデータをときどき送るなら NB-IoT が向いています。
Sigfox や LoRaWAN とは何が違いますか?
Sigfox・LoRaWAN・ELTRES・ZETA などは、アンライセンスバンド(国内では主に920MHz帯)を使う非セルラー系 LPWA です。LTE-M と NB-IoT は 3GPP が規格化した方式です。
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出題範囲は、2026年10月27日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。