隠れ端末問題と晒し端末問題の違い
衝突するか、送れるのに控えるか
- どちらも、無線 LAN で複数の端末が通信するときに起こる問題です。無線 LAN は CSMA/CA で衝突を避けますが、それでも起こりえます。
- 隠れ端末問題は、互いの電波が届かない端末どうしが同時に送って衝突する問題です。
- 晒し端末問題は、近くの別の通信の電波が聞こえて、送れるのに送信を控えてしまう問題です。
隠れ端末問題とは
隠れ端末問題は、互いの電波が届かない端末どうしが、同時に送信して衝突してしまう問題です。たとえば、アクセスポイント(AP)には届くけれど端末どうしには届かない場合、片方は相手が送っていることに気づけず、同時に送ってしまいます。
晒し端末問題とは
晒し端末問題は、近くの別の通信の電波が聞こえるせいで、本当は送れるのに、送信を控えてしまう問題です。電波の有無を確かめるしくみが、必要以上に慎重に働いてしまいます。
違いを表で比べる
| 比べること | 隠れ端末問題 | 晒し端末問題 |
|---|---|---|
| 状況 | 互いの電波が届かない端末どうし | 近くの別の通信の電波が聞こえる |
| 何が起こるか | 同時に送って衝突する | 送れるのに送信を控えてしまう |
| 困りごと | データの衝突 | 通信の機会を逃す |
試験での問われ方
IoTシステム技術検定 中級では、第4章「IoT通信方式」で出ます。もちこ道場の第4章の問題では、次のような問われ方をしています。
- 誤った記述を選ぶ: 無線 LAN の記述のうち、晒し端末問題の状況を隠れ端末問題として説明している文を見抜く。
- 正しい記述を選ぶ: 無線 LAN は CSMA/CA で衝突を避けるが、隠れ端末問題や晒し端末問題が起こりうるため、RTS/CTS や適切なチャネル設定で対処する、という整理。
覚え方
- 隠れ端末は「見えなくて衝突」。相手が見えない(電波が届かない)ので、同時に送ってしまいます。
- 晒し端末は「聞こえすぎて遠慮」。関係のない通信まで聞こえて、送れるのに控えてしまいます。
第4章のほかの用語は「第4章 IoT通信方式の要点」にまとめています。
第4章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第4章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
ツリー型の無線ネットワークでは、多数のIoTデバイスの混信を避けるため、各デバイスが混信なく送信できる時間を割り当てる機器を使う。この機器を1という。方式はIEEE 802.15.4で規定されている。
答えと解説を見る
正解は 2(コーディネータ)です。
【概要】
コーディネータは、ツリー型ネットワークで、各IoTデバイスに混信しない送信時間を割り当てる機器である。デバイス数が多く、ランダムに送信する方式では混信が増えるため、この方式が採られる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. アクセスポイントあなたの解答 アクセスポイントは、無線LANでデバイスの通信内容を上位のネットワークへ橋渡しする装置であり、スター型で使われる。送信時間を割り当てる機器ではない。
- 2. コーディネータ正解あなたの解答 問題文の、ツリー型、送信できる時間の割当て、IEEE 802.15.4で規定という条件に合う。
- 3. IoTゲートウェイあなたの解答 IoTゲートウェイは、エリアネットワークと広域網の境目で通信規約を変換する機器であり、送信時間を割り当てる機器ではない。
- 4. コンセントレータあなたの解答 コンセントレータは、スマートメータを多数まとめて収容する集約装置であり、送信時間を割り当てる機器ではない。
問2
周囲の反射でマルチパス環境になっている場所で、送信側か受信側のどちらかが移動すると、受信される電波の強度が大きく変動する。移動通信に特有のこの現象を1という。
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正解は 1(マルチパスフェージング)です。
【概要】
マルチパスフェージングは、マルチパス環境で送受信のどちらかが移動したときに、受信電波の強度が大きく変動する現象である。同じ強さで逆位相の電波が加算される場所では、強度がゼロになる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. マルチパスフェージング正解あなたの解答 問題文のマルチパス環境、送受信点の移動、受信強度の大きな変動という条件がそろう。
- 2. ダイバーシティあなたの解答 ダイバーシティは、複数のアンテナを距離を離して配置し、受信波を合成する対策であり、強度が変動する現象そのものの名称ではない。
- 3. 隠れ端末問題あなたの解答 隠れ端末問題は、無線LANで離れたIoTデバイスの電波を受信できず、衝突回避が機能しなくなる問題であり、移動による強度の変動とは異なる。
- 4. 遮蔽あなたの解答 遮蔽は、送受信点の間に物体があることで電波が減衰する影響であり、移動によって強度が変動する現象の名称ではない。
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よくある質問
CSMA/CA があるのに、なぜ起こるのですか?
CSMA/CA は、送る前に電波の有無を確かめて、ないときだけ送る技術です。確かめるのは自分に聞こえる電波だけなので、聞こえない端末の送信は分からず、問題が残ります。
RTS/CTS は何に使いますか?
無線 LAN で、隠れ端末問題などへの対処に使います。もちこ道場の問題では、RTS/CTS や適切なチャネル設定で対処する、と整理しています。
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出題範囲は、2026年10月27日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。