第3章 IoTデータ活用技術の要点
NoSQL、ストリーミング処理、正規化と標準化、機械学習を整理

更新日 2026年10月26日 読む時間の目安 約6分
この記事の要点
  • 第3章は、IoTで集めたデータをためる・処理する・整える・分析するまでの章で、模擬試験で最も出題数が多い章です。
  • 正規化と標準化、教師あり学習と教師なし学習、CNN と RNN、AGV と AMR のように、似た用語の違いが問われます。
  • 用語は「データの流れのどこの話か」で6つに分けると覚えやすくなります。
この記事の目次
  1. この章で問われること
  2. 6つのまとまりと押さえる用語
  3. 取り違えやすい組み合わせ
  4. この章の勉強の進め方
  5. 第3章の問題を解いてみる
  6. よくある質問

この章で問われること

第3章「IoTデータ活用技術」は、IoTで集めたデータを、ためて、処理して、整えて、分析し、現場の機器に使うまでを扱う章です。第2章でデータの集め方と処理の場所を見たので、その続きにあたります。

本番の80問のうち、第3章からは22問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(80問・90分)は、出題範囲の分野の割合に合わせて章ごとの問題数を決めていて、第3章からは22問を出しています。試験全体の約28%にあたり、全8章の中で最も多い配分です。

もちこ道場の第3章の問題は50問です。形式ごとの内訳は、次のとおりです。

形式 問題数
穴埋め(1か所) 20問
穴埋め(組み合わせ) 10問
正しい記述を選ぶ 10問
誤った記述を選ぶ 10問

出てくる用語は、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。

第3章の用語の6つのまとまり 1. データと蓄積 時系列・NoSQL 2. 処理の方式 ストリーミング・CEP 3. 前処理 クレンジング・標準化 4. 機械学習 教師あり・教師なし 5. 深層学習 CNN・RNN・拡散モデル 6. 現場の技術 AGV・AMR・電源
第3章の用語の6つのまとまり(もちこ道場のまとめ)

6つのまとまりと押さえる用語

1. データの性質と蓄積

用語 ひとことで
時系列データ 途切れなく発生し、発生時刻の順に並ぶ。IoT のデータに多い
NoSQL RDBMS 以外の DB。厳格な構造を持たず、ビッグデータに向く
キーバリュー型 キーと値だけの最も単純な NoSQL。単純な問合せが速く、キャッシュやログの保存に使う
グラフ型 データどうしの関連性の管理に向く NoSQL
ホット・ウォーム・コールドデータ アクセス頻度で分ける。コールドは最も低く、保存先を選んでコストを抑える
ビッグデータの3V 量・速度・多様性

2. 処理の方式

用語 ひとことで
ストリーミング処理 データが発生した時点で逐次処理し、結果をすぐ取り出す
バッチ処理 データをまとめて処理する(ストリーミングと対比される)
MapReduce Map 処理の出力を、シャッフル処理でキーごとにまとめ、Reduce 処理に渡す
CEP 複数のデータ元のデータをリアルタイムに処理する。ウィンドウは、その処理対象になる直近のデータの範囲
パブリッシュ・サブスクライブ 仲介者を介するので、送り手と受け手が相手を意識しなくてよい。受け手が仲介者に受け取りたいデータを指示するのが「購読」

3. 前処理

用語 ひとことで
データクレンジング 機器の不具合やノイズによる異常値・外れ値を、削除や置換で整える
正規化 値を最小0・最大1などの範囲に収める(一様分布に近いデータ向き)
標準化 平均0・分散1にそろえて、単位や分布が異なるデータを比べられるようにする(正規分布に近いデータ向き)

4. 機械学習

用語 ひとことで
教師あり学習 説明変数と目的変数の組を大量に学び、予測モデルや識別モデルを作る
教師なし学習 説明変数だけを与え、特徴を自分で抽出してモデルを作る
クラスタリング 正解を与えずに、似たデータをまとめる。教師なし学習の代表的な手法
サポートベクターマシン(SVM) 超平面でデータを分類する教師あり学習。カーネルトリックで複雑なデータも扱える

5. 深層学習

用語 ひとことで
CNN 畳み込み層とプーリング層で局所的な特徴を取り出す。画像認識向け
RNN 隠れ層に自己フィードバックがあり、時系列の相関があるデータ(音声・センサデータ)を扱う
オートエンコーダ 入力を再現できる低次元の表現を取り出す。情報の圧縮、ノイズ除去に役立つ
誤差逆伝播法 誤差を出力層から入力層へ逆向きに伝え、重みを調整する
拡散モデル 画像を少しずつノイズで埋め、ノイズを除去して再生成する。テキストから画像を作る領域で使われる

6. 現場の技術

用語 ひとことで
AGV 磁気テープなどで示したルートを走る無人搬送機
AMR センサのデータから地図を作って自律的に移動するロボット。走行用の施設が要らない
エナジーハーベスティング 環境から微小なエネルギーを集めて電力にする(環境発電)。多数のセンサの電源確保に役立つ

取り違えやすい組み合わせ

組み合わせ 見分け方
正規化と標準化 範囲に収める(最小0・最大1など)か、平均0・分散1にそろえるか
教師あり学習と教師なし学習 正解(目的変数)を与えるか、与えないか
CNN と RNN 画像の局所的な特徴か、時系列の相関か
ストリーミング処理とバッチ処理 発生した時点で逐次処理するか、まとめて処理するか
AGV と AMR 決まったルートを走るか、地図を作って自律で動くか
キーバリュー型とグラフ型 単純なキーと値か、データどうしの関連か

この章の勉強の進め方

  1. 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
  2. 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
  3. 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。

勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。

第3章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第3章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

IoTシステムにおいて、多数のセンサやカメラからの情報、大量のログデータなど、絶え間なく流入するデータをリアルタイムで分析して、結果を即座に出す処理方式を1処理という。

答えと解説を見る

正解は 1(ストリーミング)です。

【概要】

ストリーミング処理は、データが発生した時点で逐次処理して分析結果を取り出す方式で、絶え間なく流入するIoTデータの即時分析に用いられる。

【図解】実験的機能

バッチ処理とストリーミング処理 バッチ処理とストリーミング処理

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. ストリーミング正解あなたの解答 ストリーミング処理はフロー型データ処理とも呼ばれ、発生したデータをリアルタイムに分析して即座に結果を出す。
  • 2. バッチあなたの解答 バッチ処理は長期間蓄積した大量のデータを定期的に分析する処理であり、流入するデータを即座に処理する方式ではない。
  • 3. ETLあなたの解答 ETLはデータの抽出・変換・格納を行う処理であり、流入し続けるデータをリアルタイムに分析する処理方式ではない。
  • 4. MapReduceあなたの解答 MapReduceはMap処理とReduce処理からなる分散処理の仕組みで、バッチ処理に使われ即時分析の方式ではない。

問2

温度と距離のように単位や分布が異なるデータを比較できるようにする前処理のうち、変換後の分布の平均が0、分散が1になるように変換するものを1という。元のデータが正規分布に近いときなどに使われる。

答えと解説を見る

正解は 4(標準化)です。

【概要】

標準化は、変換後の分布の平均を0、分散(または標準偏差)を1にする変換である。単位や分布が異なるデータを互いに比較できるようにする。

【図解】実験的機能

データ前処理の種類 データ前処理の種類

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 正規化あなたの解答 正規化は、最小値を0、最大値を1にするなど、一定の範囲に収める変換であり、平均や分散をそろえる変換ではない。
  • 2. リサンプリングあなたの解答 リサンプリングは、計測タイミングが不規則な場合などに補間して時系列をそろえる処理であり、分布を整える変換ではない。
  • 3. ベクトル化あなたの解答 ベクトル化は、アンケートや自然言語などの数値でないデータを数値ベクトルに変換する処理であり、分布を整える変換ではない。
  • 4. 標準化正解あなたの解答 問題文の、平均が0、分散が1という変換後の条件に合う。
問題を解いて確かめる

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よくある質問

正規化と標準化は、どう見分けますか?

正規化は、値を最小0・最大1などの一定の範囲に収める操作です。標準化は、平均0・分散1にそろえる操作です。もちこ道場の問題では、この2つを入れ替えた記述が誤りとして出ます。

深層学習の用語は、どこまで覚えればよいですか?

まず、画像認識向けの CNN と、時系列の相関があるデータを扱う RNN を区別します。そのうえで、オートエンコーダ(情報の圧縮・ノイズ除去)、誤差逆伝播法(誤差を出力側から入力側へ伝える)などの役割を一言で言えるようにします。

第3章は出題数が多いとのことですが、優先して勉強するべきですか?

もちこ道場の模擬試験では、第3章は22問と最も多く、試験全体の約28%にあたります。時間が限られているときは、第3章から先に固めるのをおすすめします。

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出典・注記

出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. IoTシステム技術検定 中級(MCPC 公式)