第1章 IoT概要の要点
データ駆動型社会、標準化、ゲートウェイ、SoS を整理

更新日 2026年10月26日 読む時間の目安 約5分
この記事の要点
  • 第1章は、IoT とは何か、なぜ広がったか、どんな部品でできているかを、全体の見取り図として扱う章です。第2章以降の土台になります。
  • 標準化の団体(oneM2M・3GPP・ITU-T の SG20)や、IoTデバイス・IoTゲートウェイ・IoTサーバの役割のように、名前が似た用語の区別が問われます。
  • 用語は「背景」「標準化」「構成要素」「システムの形」「留意する技術」「個人情報と安全」の6つに分けると覚えやすくなります。
この記事の目次
  1. この章で問われること
  2. 6つのまとまりと押さえる用語
  3. 取り違えやすい組み合わせ
  4. この章の勉強の進め方
  5. 第1章の問題を解いてみる
  6. よくある質問

この章で問われること

第1章「IoT概要」は、IoTの考え方、広がった背景、システムの構成要素、標準化の動き、個人情報とセキュリティの注意点までを、全体の見取り図として扱います。個々の技術の詳しい話は、第2章以降です。

本番の80問のうち、第1章からは6問前後と予想しています。もちこ道場の模擬試験(80問・90分)は、出題範囲の分野の割合に合わせて章ごとの問題数を決めていて、第1章からは6問を出しています。試験全体の約8%にあたります。

もちこ道場の第1章の問題は50問です。形式ごとの内訳は、次のとおりです。

形式 問題数
穴埋め(1か所) 20問
穴埋め(組み合わせ) 10問
正しい記述を選ぶ 10問
誤った記述を選ぶ 10問

出てくる用語は、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。

第1章の用語の6つのまとまり 1. 背景と考え方 データ駆動型社会 2. 標準化と各国 oneM2M・SG20 3. 構成要素 デバイス・ゲートウェイ 4. システムの形 SoS・HEMS・DX 5. 留意する技術 センサデータの処理 6. 個人情報と安全 匿名化・利活用
第1章の用語の6つのまとまり(もちこ道場のまとめ)

6つのまとまりと押さえる用語

1. IoTの背景と考え方

用語 ひとことで
データ駆動型社会 機器のデータを集めて分析し、機器へ戻すことで、社会の仕組みを動かす考え方
クラウド 処理能力の向上とともに、データを活用できる環境を整えた技術の一つ
オープンイノベーション 企業の枠を越えて技術やアイデアを組み合わせ、価値を共に作る考え方(自社の特許の公開も含む)
オープンソースハードウェア 権利を公開した機械や装置。Raspberry Pi や Arduino が例で、オープンイノベーションを加速させる
DX 製品やビジネスモデル、組織や企業文化まで変えることで、IoT の上位概念

2. 標準化と各国の取り組み

用語 ひとことで
Industrie 4.0 ドイツが進める、製造業の生産性向上と新しいビジネスモデルの取り組み
IIC GE 社が進める構想を広める団体。Industrie 4.0 と同様の取り組み
oneM2M IoT 関連の標準化活動で、共通サービスプラットフォームの普及をめざす
ITU-T の SG20 分散していた IoT 関連の検討を集め、スマートシティなども議論する
NB-IoT 3GPP が標準化を始めた仕様で、LPWA 技術の構築をめざす

3. システムの構成要素

用語 ひとことで
IoTデバイス データを集める機器。実空間に位置づけられる
IoTサーバ データを分析する側。サイバー空間に位置づけられる
IoTゲートウェイ デバイスとサーバを結び、中継のほか集約・フィルタリング・前処理もする
ウェアラブルデバイス 体に着けて使う端末。健康管理で24時間の情報を集めるのに使う
エッジコンピューティング クラウドとユーザ端末の間にサーバを置き、遅延や負荷を減らす

4. システムの形と事例

用語 ひとことで
SoS 独立して動く複数のシステムが集まって、1つのサービスを提供する形
マスカスタマイズ 顧客の好みに合わせた製品を作ること。IoT で生産工程の管理が可能になる
HEMS 家庭の電力使用量を見える化して、節電を促す
プロトタイピング 試作で確かめる。OS を持つ Raspberry Pi など安価なボードが使える

5. 構築で留意する技術項目

用語 ひとことで
大規模センサデータの処理 大量のデータを上位へ送るときの扱い方(小容量の通信方式、フィルタリングなど)
データ収集の方式 どのようにデータを集めるかの検討
センサデータの分析 分析に役立つデータの種類や取得周期を考える
無線技術の効率的な設計 無線でつなぐ部分の設計

6. 個人情報と安全

用語 ひとことで
匿名化 個人が分からないようにして、プライバシーを守る
利活用 保護した個人情報を、新しい事業やサービスに役立てる(改正個人情報保護法は保護と利活用の両立をはかる)
400億台 2025年にIoTデバイスの数が400億台を超えると予想されている。接続が増えるほど、攻撃される危険も増す

取り違えやすい組み合わせ

組み合わせ 見分け方
IoTデバイスとIoTサーバ データを集める(実空間)か、分析する(サイバー空間)か
IoTゲートウェイとIoTサーバ 間をつないで前処理をする機器か、蓄積・分析をする側か
Industrie 4.0 と IIC ドイツの取り組みか、GE 社が進める構想を広める団体か
oneM2M と SG20 と 3GPP 共通サービスプラットフォームか、IoT の検討の集約(ITU-T)か、NB-IoT などの規格(3GPP)か
オープンイノベーションとクローズドイノベーション 企業の枠を越えて価値を共に作るか、自社の中で完結させるか
DX と IoT DX が上位の考え方で、IoT はその中のデータ活用の技術

この章の勉強の進め方

  1. 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
  2. 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
  3. 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。

勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。

第1章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第1章(無料体験)の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

経済産業省の「DX推進指標」では、DXを、企業が激しく変化するビジネス環境に対応するため、データとデジタル技術を活用し、顧客や社会のニーズに基づいて製品・サービスやビジネスモデルを変革し、さらに業務そのもの、組織、プロセス、企業文化・風土をも変革して、競争上の優位性を確立することと定義している。この定義から、DXは一部門のシステムだけを対象とするものではなく、業界をまたいだシステム間の変革まで含む総合的な概念であり、IoTの1として捉えることができる。

答えと解説を見る

正解は 1(上位概念)です。

【概要】

DX推進指標の定義では、DXは製品やビジネスモデルに加え組織や企業文化・風土まで変革するものとされ、業界をまたぐ総合的な概念としてIoTの上位概念に位置付けられる。

【図解】実験的機能

DXとSoS(System of Systems) DXとSoS(System of Systems)

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 上位概念正解あなたの解答 上位概念は、DXがIoTを包含し、一部門にとどまらず業界をまたいだ変革まで含む総合的な概念であることを表す。
  • 2. 基礎概念あなたの解答 基礎概念は他の概念の土台となる考え方を指し、IoTの集合体で構成されIoTを包含するDXの位置付けとは逆である。
  • 3. 派生概念あなたの解答 派生概念はある概念から枝分かれして生じた考え方を指し、IoTを包含して総合的に扱うDXの位置付けを表さない。
  • 4. 関連技術あなたの解答 関連技術はある技術と関わる個別の技術を指す語であり、DXは技術にとどまらず組織や文化の変革まで含む概念である。

問2

複数のシステムが統合されたもので、ライフサイクルが異なり、構成する各システムが管理方針や操作方法を独立して設計されているため単独でも動作できるものを1という。独立した設計になっていなければ、これには当たらない。

答えと解説を見る

正解は 3(SoS)です。

【概要】

SoSは、System of Systemsの略で、独立して動作できる複数のシステムが集まり、1つのサービス機能を提供するものである。単体では得られない成果の創出が期待される。

【図解】実験的機能

DXとSoS(System of Systems) DXとSoS(System of Systems)

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. CPSあなたの解答 CPSは、実世界とサイバー空間との相互連関が社会のあらゆる領域に実装される社会を指す語であり、独立設計された複数システムの統合を表すものではない。
  • 2. IoTプラットフォームあなたの解答 IoTプラットフォームは、IoTコア技術を活用しつつ他のサービスやシステムと連携し融合処理を行う境界の部分を指し、本問の統合システムの名称ではない。
  • 3. SoS正解あなたの解答 問題文の独立して設計された各システムの統合、ライフサイクルの違いという条件に合う。独立していなければ該当しない点も特徴である。
  • 4. オープンイノベーションあなたの解答 オープンイノベーションは、企業間で技術やアイデアを組み合わせて新たな価値を生み出す考え方であり、システムの構成形態を表す語ではない。
この続きを解く

第1章の50問は、登録なしでそのまま解けます。解説と図解も同じ形で付いています。

第1章の続きを解く

よくある質問

第1章はどの章とつながっていますか?

ゲートウェイやエッジコンピューティングの詳しい中身は第2章、データの扱いは第3章、通信は第4章、デバイスは第5章で扱います。第1章は、その全体の地図にあたります。

第1章は暗記が中心ですか?

団体名や用語の暗記も必要ですが、「何のための仕組みか」を言葉で説明できると、似た選択肢を見分けやすくなります。たとえば IoTゲートウェイは、デバイスとサーバを結び、データの集約や前処理もする機器です。

標準化の団体は、どう覚えればよいですか?

団体の名前だけでなく、「何を決めているか」をセットにします。もちこ道場の問題では、oneM2M は共通サービスプラットフォーム、3GPP の NB-IoT は LPWA、ITU-T の SG20 はIoT関連の検討の集約、という形で問われます。

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出典・注記

出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. IoTシステム技術検定 中級(MCPC 公式)