Arduino と Raspberry Pi の違い
OS がないマイコンボードか、OS があるコンピュータボードか

更新日 2026年11月2日 読む時間の目安 約4分
この記事の要点
  • Arduino と Raspberry Pi は、どちらもIoT の試作(プロトタイピング)で世界的によく使われるボードです。
  • Arduino は OS を持たないマイコンボード、Raspberry Pi は Linux などの OS を持つコンピュータボード、と OS の有無で見分けます。
  • IoT デバイスの基本構成では、どちらも CPU を持つ処理部にあたります。
この記事の目次
  1. Arduino とは
  2. Raspberry Pi とは
  3. 違いを表で比べる
  4. 試験での問われ方
  5. 覚え方
  6. 第6章の問題を解いてみる
  7. よくある質問

Arduino とは

Arduino(アルドゥイーノ)は、2005年にイタリアの Massimo Banzi らが開発して販売を始めた、OS を持たないマイコンボードです。電気・電子を専攻する学生が、簡単に手に取って学べる安価な教材として作られました。

オープンソースハードウェアで、設計の情報が無償で公開されています。それまでの PIC マイコンや H8 マイコンよりも、センサやアクチュエータを簡単につなげるので、電気・電子の専門外の人でも手軽に使え、世界中に広まりました。

  • OS に対応せず、独自の C 言語や Java などの開発環境を使います。
  • センサ類やアクチュエータ類の接続は簡単ですが、インターネットへの接続には別のモジュールが必要です。
  • 入門者を含む、メイカーのレベルの人が使う想定です。

Raspberry Pi とは

Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、英国の Raspberry Pi 財団が2012年から開発して販売している、OS を持つコンピュータボードです。Arduino と同じく教育用を意図して作られ、ボード上に ARM プロセッサを載せています。

モニタやキーボードを用意して LAN につなげば、コンピュータの廉価版として使えます。安価なのに高機能で、IoT の試作や少量の量産に使われる場面が増えました。

  • Linux などの OS を持ち、Python や Java などで開発します。
  • インターネットへの接続は、容易な環境が整っています。センサ類やアクチュエータ類の接続は、マイコンボードほど簡単ではありません。
  • Linux などの OS を使える、情報技術者のレベルの人が使う想定です。
Arduino と Raspberry Pi を OS の有無で分ける Arduino(マイコンボード) OS を持たない センサの接続は簡単。ネット接続は別モジュール Raspberry Pi(コンピュータボード) Linux などの OS を持つ Python などで開発。ネット接続は容易 どちらも IoT デバイスの処理部で、試作でよく使われる
Arduino と Raspberry Pi を OS の有無で分ける(もちこ道場のまとめ)

違いを表で比べる

比べること Arduino Raspberry Pi
種類 マイコンボード コンピュータボード
OS 持たない(OS 非対応) Linux などの OS を持つ
開発環境 独自の C 言語や Java など Python や Java など
センサ・アクチュエータの接続 簡単 マイコンボードほど簡単ではない
インターネット接続 別のモジュールが必要 容易な環境がある
想定する人 入門者を含むメイカーのレベル OS を使える情報技術者のレベル
生まれ 2005年、イタリア 2012年から、英国の財団

試験での問われ方

IoTシステム技術検定 中級では、第6章「IoTシステムのプロトタイピング」で出ます。もちこ道場の第6章の問題(全51問)のうち、Arduino・Raspberry Pi を扱う問題は7問あります。

  • 穴埋め: 「Arduino が世界中で普及している。安価で OS を持ったコンピュータボードの例は」に Raspberry Pi を選ぶ。選択肢には ESP32・Leafony・PIC マイコンが並びます。
  • 正しい記述の組み合わせ: 「Arduino は OS に対応していない」「Raspberry Pi は Linux などの OS を持つ」といった a~d から、正しいものだけの組み合わせを選ぶ。
  • 不適切な記述を選ぶ: 「Raspberry Pi は OS を持たないマイコンボードである」のように、2つの性質を入れ替えた記述を見抜く。

覚え方

  • OS の有無で覚えます。Arduino は OS なしのマイコンボード、Raspberry Pi は OS ありのコンピュータボード。
  • 「Pi(パイ)は小さなパソコン」と考えると、Linux や Python、インターネットが得意だと結び付けやすくなります。Arduino は、センサをつなぐ電子工作向けです。

第6章のほかの用語は「第6章 IoTシステムのプロトタイピングの要点」にまとめています。

第6章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第6章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

オープンソースハードウェアであるマイコンボードとして世界中で普及しているものにArduinoがあり、安価でOSを持ったコンピュータボードの例としては1が挙げられる。

答えと解説を見る

正解は 4(Raspberry Pi)です。

【概要】

IoTシステムの試作を後押ししたものとして、回路図が公開されたマイコンボードであるArduinoと、OSを備え安価で高機能なRaspberry Piが挙げられる。

【図解】実験的機能

IoTの試作を後押しした環境 IoTの試作を後押しした環境

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. ESP32あなたの解答 ESP32はWi-FiとBluetoothを内蔵する低消費電力のマイクロコントローラであり、本問のボードではない。
  • 2. Leafonyあなたの解答 LeafonyはArduino互換のマイコンを載せた超小型のオープンソースハードウェアであり、本問の例ではない。
  • 3. PICマイコンあなたの解答 PICマイコンは従来から使われてきたOSを持たないマイコンであり、OS付きコンピュータボードの例ではない。
  • 4. Raspberry Pi正解あなたの解答 Raspberry PiはLinuxなどのOSを備えた安価で高機能なコンピュータボードであり、本問の例に合う。

問2

IoTデバイスの基本構成において、CPU内蔵のマイコンボードやコンピュータボードのほか、PC、タブレット、スマートフォンなどが当てはまる部分は1である。

答えと解説を見る

正解は 4(処理部)です。

【概要】

IoTデバイスの基本構成のうち処理部は、CPUを持つマイコンボード、コンピュータボード、PC、タブレット、スマートフォンなどが担う部分である。

【図解】実験的機能

IoTデバイスの基本構成(入力・処理・出力・通信) IoTデバイスの基本構成(入力・処理・出力・通信)

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. 入力部あなたの解答 入力部はセンサ類やスイッチ、GPS、カメラなどを含む部分であり、CPUを持つボードが当たる部分ではない。
  • 2. 出力部あなたの解答 出力部はモータなどのアクチュエータ類やLCD、LED、スピーカを含む部分であり、本問の部分ではない。
  • 3. 通信部あなたの解答 通信部はワイヤレス通信で他の機器やIoTサーバとつながる部分であり、CPUを持つボード自体ではない。
  • 4. 処理部正解あなたの解答 処理部はCPUを持つボードやPCなどが担い、プログラムで入力部・出力部・通信部を制御する。
問題を解いて確かめる

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よくある質問

Arduino と Raspberry Pi は、どちらも処理部ですか?

はい。IoT デバイスの基本構成のうち、CPU を持つマイコンボードやコンピュータボードが担う部分が処理部です。センサ類は入力部、アクチュエータ類は出力部、無線などで外とつながる部分は通信部で、処理部が全体を制御します。

どちらもオープンソースハードウェアですか?

教科書では、Arduino がオープンソースハードウェアの代表例です。設計の情報を無償で公開し、他者が使えるようにしている機器のことです。Raspberry Pi は、OS を持つ安価なコンピュータボードとして並べて説明されます。

ESP32 や PIC マイコンは、どちらの仲間ですか?

教科書の分類では、OS を持たないマイコンボードの側です。PIC マイコンは従来から使われてきた OS を持たないマイコン、ESP32 は Wi-Fi と Bluetooth を内蔵する低消費電力のマイクロコントローラです。OS を持つコンピュータボードとして出るのは Raspberry Pi です。

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出典・注記

出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. IoTシステム技術検定 中級(MCPC 公式)