第8章 IoTシステムの開発・運用・保守上の留意点の要点
開発手法、DevOps、BCP、CCライセンスを整理
- 第8章は、IoTシステムを作り、動かし続けるときの留意点の章で、最後の章です。開発手法、DevOps、事業継続計画(BCP)、著作権(CCライセンス)を扱います。
- もちこ道場の模擬試験では出していない章ですが、ウォーターフォールとアジャイル、CI/CD・MLOps・DevSecOps、CCライセンスの4条件のような用語が問われます。
- ほかの章の内容を、開発・運用の場面に当てはめた章として読んでおくと、全体のつながりが見えます。
この章で問われること
第8章「IoTシステムの開発・運用・保守上の留意点」は、IoTシステムを開発して、運用し、保守するときの手法や心構え、事業を続けるための計画、著作権の考え方を扱う最後の章です。第6章の試作の先にある、本開発と運用の話にあたります。
もちこ道場の模擬試験(80問・90分)は、出題範囲の分野の割合に合わせて章ごとの問題数を決めていて、第8章からは出していません。本番でも出題は少ないと見ていますが、断定はできないため、ほかの章の内容を開発・運用の場面に当てはめた章として、一通り読んでおくことをおすすめします。
もちこ道場の第8章の問題は50問です。形式ごとの内訳は、次のとおりです。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 穴埋め(1か所) | 20問 |
| 穴埋め(組み合わせ) | 10問 |
| 正しい記述を選ぶ | 10問 |
| 誤った記述を選ぶ | 10問 |
出てくる用語は、次の6つのまとまりに分けると整理しやすくなります。
6つのまとまりと押さえる用語
1. 開発手法
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| ウォーターフォール型 | 要件定義からシステムテストまでを順に進める計画駆動型。仕様と全体日程が最初に決まっている |
| アジャイル型 | 短いサイクルを繰り返す。要件が細かく決まっていない、変更が起こりやすいシステムに向く |
| プロトタイプ型 | 試作品で完成イメージをユーザと共有する |
| スパイラル型 | 開発とテストを小さな単位で繰り返す。アジャイル型とプロトタイプ型の要素を併せ持つ |
| ハイブリッド開発 | ウォーターフォール型とアジャイル型を組み合わせる |
| リーン・スクラム・XP | アジャイル型開発の流派。リーンはトヨタのカンバン方式を取り入れた |
2. アジャイル宣言と PMBOK
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| アジャイルソフトウェア開発宣言 | 計画に従うことにも価値を認めつつ、変化への対応により価値をおく |
| PMBOK | プロジェクトマネジメントの知識体系。第7版(2021年)は遂行目的を価値の提供に変えた |
| PoC | 仮説の実効性や実現可能性をプロトタイプで検証する。その後はエコシステムの形で本開発に進むことが多い |
3. 開発の工程
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 基本設計 | 要件を達成するシステム構成を定める |
| 詳細設計 | 構成を具体的な実装方法に分解する |
| 統合テスト | プログラムのモジュールを組み合わせた状態で、動作を検証する |
4. 運用の仕組み
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| DevOps | 開発と運用の連携を効率よく行う仕組み |
| CI/CD | ビルド・テストからデリバリー・デプロイまでを自動化する。CD は CI の拡張 |
| 継続的デプロイメント | 開発者の変更をそのまま本番へ自動でリリースする。運用の負担を軽減できる |
| MLOps | 機械学習システムの開発から運用までを効率化する。運用後の精度の監視や再学習を行う |
| DevSecOps | セキュリティ対策を開発から運用まで組み込み、継続的に監視する |
| リポジトリ | ソースコードなどを一か所にまとめて管理する保管場所 |
5. 事業の継続
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| BCP | 事業継続計画。通常業務ができなくなったときに、業務を早期に復旧させる計画を前もって定める |
| BCP で想定する事態 | 大災害、大規模停電や火災などの事故、パンデミック、テロなど |
| IoT の BCP | センサやデバイスが膨大で広範囲に分散するため、従来の ICT 産業とは違う視点が必要 |
6. 著作権と CC ライセンス
| 用語 | ひとことで |
|---|---|
| 著作権 | 著作物を創作した瞬間に、著作者へ自動的に生じる |
| CC ライセンス | 著作者が利用許諾の意思を前もって表示し、利用者が使うたびに許可を求めなくてよくする |
| 表示(BY)・非営利(NC) | 表示(BY)は表示を条件とする、非営利は営利を目的とした利用をしないこと |
| 改変禁止(ND)・継承(SA) | 改変を禁止する、改変して公開するなら元と同じライセンスにする |
取り違えやすい組み合わせ
| 組み合わせ | 見分け方 |
|---|---|
| ウォーターフォール型とアジャイル型 | 前の工程に戻らない計画駆動か、短いサイクルを繰り返すか |
| プロトタイプ型とスパイラル型 | 試作品で確かめるか、小さな単位で開発とテストを繰り返すか |
| 基本設計と詳細設計 | システム構成を定めるか、構成を実装方法に分解するか |
| CI と継続的デプロイメント | 開発者向けの統合・テストの自動化か、本番への自動リリースか |
| MLOps と DevSecOps | 精度の監視・再学習か、セキュリティを開発から運用まで組み込むか |
| BCP と防災計画 | 事業を早期に復旧させる計画か(防災計画ではない) |
| 非営利(NC)と継承(SA) | 営利目的の利用をしないか、改変したら同じライセンスで公開するか |
この章の勉強の進め方
- 6つのまとまりの名前を覚え、用語を見たら「どのまとまりの話か」を言えるようにします。
- 上の表の組み合わせを、何も見ずに一言で説明できるか確かめます。
- 問題を解いて、迷った用語をその日のうちに見直します。
勉強の全体の計画は「勉強時間の目安と1か月の計画」にまとめています。
第8章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第8章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
デジタル化が進むなか、市場の変化に迅速に対応し、顧客ニーズにフィットしたサービスを提供するための考え方の一つとして、開発と運用の連携を継続的に行う仕組みを1と呼ぶ。
答えと解説を見る
正解は 1(DevOps)です。
【概要】
DevOpsは開発のDevelopmentと運用のOperationを組み合わせた語で、開発チームと運用チームが効率よく連携できる環境を作り、市場変化への迅速な対応を支える仕組みである。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. DevOps正解あなたの解答 DevOpsはデブオプスと読み、アジャイル開発を核に開発と運用の連携プレーを円滑にする環境を整える。
- 2. CI/CDあなたの解答 CI/CDはビルドやテストからデプロイメントまでを自動化する仕組みであり、開発と運用の連携そのものを指す語ではない。
- 3. MLOpsあなたの解答 MLOpsは機械学習モデルを使うシステムの開発から運用を効率化する手法であり、開発と運用の連携全般を指す語ではない。
- 4. DevSecOpsあなたの解答 DevSecOpsはセキュリティ対策を開発から運用まで組み込む考え方であり、開発と運用の連携全般を指す語ではない。
問2
災害・事故、疫病の流行、社会的な混乱などにより通常の業務が行えない状態に陥ったときに、事業を継続できるよう、業務を短期間で復旧させる計画を事前に策定しておくことを1という。
答えと解説を見る
正解は 1(事業継続計画(BCP))です。
【概要】
BCPは事業継続計画と訳され、通常業務ができなくなったときに業務を早期に復旧させる計画を前もって定めておくことである。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 事業継続計画(BCP)正解あなたの解答 事業継続計画は、災害や疫病、社会的混乱などの際に事業を続けるため、業務の短期復旧の計画を事前に立てておくことである。
- 2. 防災計画あなたの解答 防災計画は災害への備えを目的とする計画であり、BCPは事業継続のための計画で防災計画ではないとされている。
- 3. リスクマネジメント計画あなたの解答 リスクマネジメント計画はリスク全般を管理するための計画であり、業務の早期復旧による事業継続を表す語ではない。
- 4. 緊急時対応計画あなたの解答 緊急時対応計画は緊急事態の発生直後の対応を定める計画であり、事業継続のための復旧計画を表す本問の語ではない。
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よくある質問
模擬試験で出さないのに、勉強したほうがよいですか?
もちこ道場の模擬試験では第8章を出していません。本番でも出題は少ないと見ていますが、断定はできません。用語は、ほかの章の内容を開発・運用の場面に当てはめたものが多いので、時間に余裕があるときに一通り目を通しておくのがおすすめです。
ウォーターフォール型とアジャイル型は、どう見分けますか?
ウォーターフォール型は、要件定義からシステムテストまでを順に進める計画駆動型で、仕様と全体日程が最初に決まっています。アジャイル型は短いサイクルを繰り返し、要件が細かく決まっていないシステムや、変更が起こりやすいシステムに向いています。
CCライセンスの4つの条件は何ですか?
表示(BY)、非営利(NC)、改変禁止(ND)、継承(SA)です。継承は、改変して公開する場合に、元の作品と同じライセンスで公開することを求める条件です。
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出題範囲は、2026年10月26日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。